FC2ブログ


もう先月のことになるが、Spada Vetture Sport(伊) が開発したコンセプトカーCoda tronca(コーダ・トロンカ)が発表された。

spada ct_r

spada ct_f

イタ車好きならビビっとくる言葉をそのまんま直球でネーミングしたクルマだ。
なんと最高速度340km/hというその性能を後続車に誇示するかのように、これでもかというくらいに切り立ったテールにデジタルスピードメーターが設置されているのをお判り頂けるだろう。
ステルス機みたい…
どうも僕には、こういった近未来的なクルマには興味が湧かないなぁ…。




しかし、そもそも『Coda tronca』って、正確にはどういう意味なんだ?
きちんと知らない自分のためにあれこれ調べてみることにした。―




『Coda tronca』(伊)は、無論カーデザイン用語であるが、クーペボディのうちファストバックに属する類型で、屋根から後にかけてのラインが下がりきる前にボディー後端をすっぱりと切り取った形状を言い、『尻切れ』というあまりカッコ良くはない言葉だった(コーダ=お尻(音楽でも使わる‘最終’の意)、トロンカ=切れ)。

同意を米国では「Kamm back(カムバック)」、英国では「Kamm tail(カムテール)」というのだそうだ。

coda_archivio.jpg

そもそも「カム」とは、「流体の中を進むもっとも効率の良い形とされる魚のような流線型物体においては、その後端を切り落としても抵抗はほとんど増加しない」とする、ドイツ人(或いはスイス人)の『ブニバルト・カム博士』が1930年代に提唱した『Kテール理論』に由来しているとのこと。

全長を短縮することにより、ボディの軽量化と運動性能の向上が期待できることから、先ずはレーシングカーに採用され、その後量産車の空力競争が始まった1970年代、空力性能の良さを形としてアピールするためにこの形状を取り入れる市販車が現れたということだ。





僕たちが良く知っている典型的な『Coda tronca』は、’60年代前半のAlfa Romeo TZSZだ。

TZ1.jpg

canguro.jpg

話が最初に戻ってしまうが、上述したSpada Vetture Sportというブランドは、丁度その時代にZagatoに在籍し、Alfa Romeo SZJunior Z・TZ、またAston Martin Zagatoなどの素晴らしいクルマを次々と生み出したErcole Spada氏が、ご子息のPaolo氏らと一緒に自分たちのコンセプト=“Spada Cocept”を実現するためにつくったのだという!

spada production

次々とカロッツェリアが萎み、冷え切って行く自動車デザイン業界において、彼らの心意気は何と素晴らしいことなんだろうと思う。




この『Coda tronca』の採用が比較的遅かったとされるPininfarinaであるが、その代表作が、1600 Spider Duettoの後を引継ぐことになった、いわゆる“Sr-2” 1750 Spider(1966年にデビュー)である。

1750 spider_codatronca

1969年、「osso di seppia」(伊)(オッソ・ディ・セッピア=「イカの甲」の意)というニックネームで親しまれたDuettoの美しいボートテールを(洒落ではないが)大胆にも“スパっ”と切り取ったってしまったデザイン手法はあまりにも衝撃的で有名な話だ。




さてさて、ところで我らが916型のgtvspiderのテールは、はたして『Coda tronca』なのかどうか…。

gtv_monotype.jpg

個人的には純粋な『Coda tronca』ではないと思うのだが、正しい答えをご存じの方は是非ご一報頂きたい。

その前に、意外にもCentoro Stileが作ったと思われる、その名も『Alfa Romeo gtv Coda Tronca』というスタディ・モデルらしき画像を入手したのでお披露目しておこうw

newgtvcodatronca_1.jpg

こりゃぁ確かに『Coda tronca』だが、どちらかといえばSports Wagonだ。
これって、どーよ!?(爆)



2009.06.12 


Secret